全国友の会ホームページより 羽仁もと子の言葉   4月

今年こそは心のどかにこれこれのことをしようと思い、あるいはまた忙しかったこともこれで一段落ついたから、 これからは少しゆっくりしようと思っていても、実に人生には思いがけないことばかり多いものです。
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今はこれこれの心がかりがあるから、何にも身にしみてする気にならないといい、またはこの事の済まないうちは、 仕事も手につかないとかいうようでは、私どもはほとんど始終静心なく暮らさなければなりません。 そうして、しなくてはならない多くの仕事を残して、その生涯を閉じなくてはならないことになりましょう。 私どもは無事の日を常と思わず、むしろ心がかりのあることを、人生普通のことと思うように、 わが心を鍛えておかなくてはなりません。そうして無事の日を、特に与えられた恵みの時として感謝し喜びもしたいと思います。                思想しつつ生活しつつ 上 「唯今主義」